ソフトウェア概要
空気流れのリアルタイム可視化
車体周囲を流れる空気の動きを、色付きのパーティクルとストリームラインでリアルタイムに表示します。高速な部分は赤系、低速な部分は青系で直感的に把握できます。
車速と風速の合成表示
走行中の車に対する空気の相対速度を正確にシミュレート。風速スライダーと車速スライダーを独立して操作でき、両者の合成ベクトルをリアルタイムで確認できます。
空力データの即時計算
抗力係数(Cd値)と空気抵抗力(ドラッグ力)を物理式に基づいてリアルタイム計算。車両タイプを変えると数値が即座に更新されます。
複数の可視化モード
ストリームライン・パーティクル流れ・圧力マップ・渦流の4種類の可視化を組み合わせて表示。各モードの表示・非表示を個別に切り替えられます。
物理モデル
ポテンシャル流れ理論
本ソフトウェアは、楕円形周りのポテンシャル流れ(二重極流)を近似した流速フィールドを計算しています。車体を楕円として扱い、周囲の流れを数学的に算出することで、リアルタイム描画を実現しています。
車体前方(風上側)は流れが圧縮されて高速化し、後方(風下側)では速度が落ちて乱流のウェイク領域が発生します。この現象を忠実に再現しています。
V = 相対風速(m/s)
Cd = 抗力係数(車両タイプにより異なる)
A = 前面投影面積(m²)
相対風速の計算
車が前進すると、静止した空気でも車体前方から風を受けるため、実際の風速と車速の和が空力的な「見かけの風速」(相対風速)となります。
100 km/h = 60 km/h + 40 km/h
ウェイク(後流)乱流モデル
車体後方では流速が大幅に低下し、上下方向の乱流成分(v方向)が加わります。シミュレーション内では、sin波ベースの時間変化する乱流強度を加算することで、現実的な渦の揺らぎを再現しています。この領域が空力ドラッグの主な発生源です。
機能一覧
数百〜数百個の粒子が速度フィールドに従って流れ、軌跡(トレイル)を色で表示します。速度に応じてリアルタイムで色が変化し、空気の流れを直感的に把握できます。
流線(ストリームライン)を24本表示。アニメーションする破線で流れの方向を示し、矢印マーカーを一定間隔で配置することで流速と方向を同時に可視化します。
ベルヌーイの定理に基づき、流速の遅い部分(高圧)を青系、速い部分(低圧)を赤系で背景に半透明表示します。車体前面の高圧域と後方の低圧ウェイク域が一目でわかります。
車体後方に発生するカルマン渦を二つの反対回転する渦として可視化します。風速が高くなるほど渦の強度が増し、回転速度も上がります。
画面左下に風速・車速・相対風速の3本の矢印ベクトルをリアルタイム表示。スライダーを動かすたびに長さと数値が即座に変化し、速度の合成関係を視覚的に理解できます。
実際の空力計算式(F = ½ρV²CdA)を用いて空気抵抗力(N)をリアルタイムで計算・表示。車両タイプと速度の変化に応じて数値が連動して変わります。
操作方法
風速スライダー
トンネル内を吹く風の強さを設定します。0〜300 km/h の範囲で5 km/h 刻みで変更できます。
車速スライダー
車両の走行速度を設定します。車が動くと相対風速が増加し、流れのパターンが変化します。
パーティクル密度
流れを表す粒子の数を3段階で設定します。HIGH にすると詳細な流れが見やすくなります。
車両タイプ選択
セダン・SUV・スポーツカー・トラック・フォーミュラの5種類から選択。それぞれ形状とCd値が異なります。
表示切替チェックボックス
渦流・圧力マップ・ストリームラインをそれぞれ独立してON/OFFできます。見たい情報だけを選んで表示できます。
START / STOP ボタン
シミュレーションの一時停止と再開を切り替えます。特定の瞬間の流れを観察したいときに便利です。
カラー凡例
流れの色は相対風速に対する流速の比率で決まります。最大流速(相対風速の約1.8倍)を基準として以下のグラデーションで表示されます。
(淀み点付近)
(車体側面)
(天面など)
(絞り部分)
(最大流速点)
車両データ
| 車両タイプ | 抗力係数 Cd | Cd の目安 | 空力特性の特徴 |
|---|---|---|---|
| 🏎 スポーツカー | 0.26 | 低車高・流線形ボディで最も空力効率が高い。風の流れが滑らか。 | |
| 🚗 セダン | 0.30 | 乗用車の標準的な空力性能。後部が緩やかに傾斜し抵抗を抑制。 | |
| 🚙 SUV | 0.38 | 高い車高と大きな前面積が抵抗を増やす。後方のウェイクも大きい。 | |
| 🚛 トラック | 0.48 | 角張ったボディと垂直の前面が大きな抵抗を生む。乱流も激しい。 | |
| 🏁 フォーミュラ | 0.70 | ウイングによるダウンフォース発生のため意図的に高Cd。グリップ優先。 |
※ Cd値は参考値です。実際の値はメーカーや測定条件によって異なります。