日本の電力供給・発電量30年間の推移

1995年度~2024年度 原子力・水力・火力・揚水発電・電力不足を検証

結論

30年間
1995~2024年度
2011年
唯一の大規模な供給力不足
約1,000万kW
2011年3月 東京電力の需給ギャップ
約2,700万kW
揚水発電設備規模

重要: 日本全体で長期間「発電能力そのものが不足」したわけではありません。 30年間で最も明確な電力不足は、2011年3月の東日本大震災直後です。 東京電力管内では供給力3,100万kWに対して需要想定4,100万kWとなり、 約1,000万kWの不足が発生しました。

1.発電電力量の30年間の推移

単位:億kWh

2.電源別の構成比

3.主要年度の発電電力量

年度 水力 火力 原子力 総発電量 原子力比率 火力比率

4.原子力停止後に何が起きたか

2010年度 → 2014年度

原子力: 2,882億kWh → 0億kWh

火力: 6,209億kWh → 7,988億kWh

つまり原子力発電が大幅に減少した時期に、 火力発電が大きく増加しています。

5.揚水発電とは?

揚水発電は「電気を水の位置エネルギーとして保存する巨大な蓄電池」です。

電力需要が少ない時間 ↓ 電気を使って下池から上池へ水を汲み上げる ↓ 電力需要が大きくなった時間 ↓ 水を落として発電する

ポイント: 揚水発電は年間発電量を大量に増やすための発電所ではなく、 ピーク需要への対応や需給調整のための設備です。 近年は太陽光発電が増えたため、 昼間の余剰電力を揚水に使う役割も大きくなっています。
年度 揚水設備容量 備考
1990 約1,700万kW 揚水設備が大きく増加
1995 約2,000万kW ピーク需要対応
2000 約2,470万kW 大規模な揚水設備が整備
2005 約2,510万kW ほぼ現在の規模へ
2020 約2,747万kW 純揚水2,190+混合揚水557
2024 約2,700万kW規模 既存設備の維持・活用が中心

6.本当に電力不足になったのはいつか

2011年3月 東日本大震災

項目 数値
震災前日の需要 約4,700万kW
3月14日 想定需要 約4,100万kW
3月14日 供給力 約3,100万kW
需給ギャップ 約1,000万kW

このため3月14日から計画停電が実施されました。

7.2011年以外はどうだったのか

期間 状況 評価
1995~2010 供給予備力を確保 大規模な電力不足なし
2011年3月 震災で発電所大量停止 実際の供給力不足
2011年夏 火力復旧・節電・揚水などで対応 非常に厳しい需給
2012~2015 原子力停止を火力等で補完 全国的な供給不足には至らず
2016~2020 再エネ増加・電力自由化 大規模不足なし
2021~2024 厳しい需給時に注意報等 全国的な計画停電なし

8.「民間会社別」について

発電量の統計では、「原子力・水力・火力」は電源の種類ですが、 「民間会社」は電源の種類ではありません。

電力自由化以前は、東京電力、関西電力、中部電力などの 「10電力会社」を中心とする統計でした。

2016年度の電力小売全面自由化以降は、 新電力や自家発電なども含めた統計へ変更されています。

ここが非常に重要です。 1995~2015年度と2016年度以降では統計の対象が変わっているため、 「30年間ずっと同じ条件で民間会社別に比較した数字」 として単純につなげることはできません。

9.データの見方

10.資料・出典

資源エネルギー庁「エネルギー白書」

電気事業連合会「FEPC INFOBASE 2025」

電力広域的運営推進機関「電力需給及び電力系統に関する概況」

東京電力「2011年 電力需給・計画停電資料」